みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」を読んで
みずほ銀行のシステムリプレースといえば、「IT業界のサクラダファミリア」と揶揄され、SESやってた時は営業からCOBOL、Javaプログラマーの単価が高騰したのはこのプロジェクトのおかげとまことしやかに聞かされたのを記憶しています(真偽のほどは定かではありませんが)。
ともあれ、システムエンジニアをやっていれば誰でも一度は耳にする超有名案件なので、入りたくはないけど内情は気になる。
参画している人がいたら是非ともこっそり内情を聞いてみたい案件なのも確かです。
それが出版されるんだから、それはもう期待して読みました。
読みました…。
確かに興味深い内容だったんですが…。
違うそうじゃない。
二度のシステム障害がなぜ起きたか、それを受けてのみずほ社内の意識転換、プロジェクトを成功に導くためのプロジェクトマネジメントやベンダーコントロール、新システムMINORIの設計思想。
語られてるのはそういった内容で、それはそれで興味深く面白かったのですが…。
私がもっと読みたかったのは現場でのSEたちの葛藤や問題解決でした。
システム開発(リプレース)はそれはそれは大変なものです。
関わる人間が多くなる大規模開発案件ならなおさら、そしてそれがどんな小さな不具合も許容できない勘定系基幹システムなら、そこに関わるSEのプレッシャーは私の経歴ではまったく想像がつきません。
35万人月という途方もない工数のなかでどんな人間ドラマがあったのか。
Windows NTの開発関係者へのインタビューを綴った「闘うプログラマー」のような内容を期待してました。
とはいえ、ゆうに1000社を超えるという各社の関係者にインタビューする日本ではコンプラもあって難しそうですね。
少々期待してた内容とは違いましたが、読み物としては面白かったです。
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